「お伊勢参らばお多度もかけよ、お多度かけねば片参り」
愛知県・岐阜県との県境に位置する三重県桑名市多度町多度にある多度大社。三重県内だけでなく東海地方よりの多くの参拝者が訪れる神社です。伊勢神宮との関係も深いため、「お伊勢参らばお多度もかけよ、お多度かけねば片参り」とも謡われています。
多度神社は、日本の三重県桑名市多度町に位置する歴史ある神社で、約1,300年の歴史を誇ります。この神社は、伊勢神宮の外宮から北に約10キロメートルの場所にあり、自然豊かな多度山のふもとに広がっています。主祭神は天照大御神の弟である「天津彦根命(あまつひこねのみこと)」で、農業や商業の守護神とされています。
歴史と背景
多度神社の創建は古代にさかのぼり、飛鳥時代に大和朝廷が神社を創建したと伝えられています。古来より「多度さん」として親しまれており、特に農業や水に関連する祈願の場所として信仰されてきました。神社の歴史は地域の発展と密接に結びついており、長い間、地元の人々にとって重要な信仰の場となっています。
「多度大社の上げ馬神事(あげうましんじ)」
多度神社では年間を通じて多くの祭りや行事が開催されますが、中でも有名なのが「多度大社の馬祭り」です。毎年5月に行われるこの祭りは、約千年の歴史を持ち、白馬が坂を駆け上がる勇壮な姿が見どころです。この馬祭りは五穀豊穣を祈願するものであり、全国から多くの参拝者や観光客が訪れます。
上げ馬神事の概要と歴史的背景
上げ馬神事の最大の特徴は、勇壮な馬が急斜面を駆け上がる様子です。選ばれた「上げ馬童子」と呼ばれる若者たちが、馬に乗り、斜面を全速力で駆け上がります。斜面の上には「的場」と呼ばれる場所があり、馬が無事に到達することで、その年の農作物の豊作や地域の繁栄が占われます。馬が成功すると、その年は豊作が期待されるとされています。
この神事は、古代から続く農耕儀礼が起源とされ、五穀豊穣を祈る目的で行われてきました。斜面を駆け上がる馬の姿は、神聖なものとされ、地域住民にとって大きな意味を持っています。また、神事の参加者である上げ馬童子は、地域の中でも選ばれた若者たちが務め、神事に対する誇りと責任が受け継がれています。
神社の建築と風景
多度神社の建築様式は伝統的な神社建築を踏襲しており、本殿や拝殿、神楽殿などが美しく配置されています。境内には、豊かな自然が広がっており、多度山からの清らかな湧き水が流れ込む池や、四季折々の風景を楽しむことができます。特に秋には紅葉が美しく、多くの人々が散策に訪れます。
アクセスと参拝情報
多度神社は、三重県桑名市から車で約30分の場所にあり、公共交通機関でもアクセスが可能です。最寄りの多度駅からは徒歩で約15分ほどの距離にあります。神社周辺には駐車場も整備されており、車での参拝も便利です。
自動車の案内
東名阪自動車道 桑名東ICより・・・10分
東名阪自動車道 弥冨ICより・・・15分
伊勢湾岸自動車道 湾岸桑名ICより・・・20分
鉄道での案内
名古屋駅から
近鉄 名古屋線
名古屋駅 → 桑名駅 → 養老鉄道 多度駅
JR関西線
名古屋駅 → 桑名駅 → 養老鉄道 多度駅
多度駅から社まで1.5㎞程の距離です。
多度神社は、地元の人々に愛されるだけでなく、全国からの参拝者にも広く知られる神社です。その歴史と自然に囲まれた環境は、訪れる人々に静寂と安らぎを提供し、心身を癒す場となっています。
市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)を祀る美御前社(うつくしごぜんしゃ)。
葺門手前にある華やかな社は女性にお勧めのスポット。
- 特徴古来より、耳・鼻・口の病気や女性特有の病に御加護を下さるとの信仰があり、穴のあいた石をお供えし、病気の快癒を願う方々が多く参拝されています。
また、美しくなりたいと、鼻や目に似た形の石をお供えされていく方も多いとか。 - ご利益: 美と健康、特に女性の美しさを守護するとされています。
- 祭神: 主祭神は市杵島比売命(いちきしまひめのみこと)で、宗像三女神の一柱です。この神は、特に美しさや芸術の守護神として信仰されています。
- 御例祭 六月十七日
多度神社の献灯祭(けんとうさい)
多度神社の献灯祭(けんとうさい)は、毎年8月に行われる伝統的な行事で、境内を灯籠の光で幻想的に彩る祭りです。この祭りは、多度神社が鎮座する多度町全体を包み込むように行われ、地域の人々にとって夏の風物詩となっています。
毎年8月11日と12日に行われますが私は前日の10日にお参りしました。祭りの期間中、夕方から夜にかけて行われるのが特徴です。
献灯祭の概要
『多度大社 夏詣 献灯祭』は、8月11日・12日
”みあかり”が灯された境内では、柔らかなで温かみのある光に照り映えます。境内各所では、さまざまな催し物が行われます。
夏を彩り、当地方の夏の風物詩と称される献灯祭です。
献灯祭では、数百もの灯籠が境内に並べられ、神社全体が優しい光で包まれます。これらの灯籠には、地域住民や参拝者によって書かれた願い事や祈りが込められており、灯籠の灯りが夜空に浮かび上がる様子は、非常に幻想的で美しい光景です。
灯籠は紙でできており、そこに描かれた文字や絵は、それぞれの祈願を表現しています。灯籠の光は、神聖なものとされ、神々に対する感謝や祈願を捧げる意味が込められています。
献灯期間 8月11日から8月18日 日没より午後9時まで
祭りの内容と見どころ
地域の人々にとって重要な夏のイベントであり、家族連れや観光客も多く訪れます。祭りの間、屋台が並び、地元の食べ物やお土産が販売されるなど、賑やかな雰囲気が漂います。また、地域の伝統的な音楽や踊りも披露され、地元文化の一端に触れることができます。
「神前みあかり」と「特大みあかり」
多度両宮大前に掲げる「神前みあかり」と、美御前社大前から冠木鳥居までに掲げる「特大みあかり」については平安時代より伝えられる文様「小葵文」をあしらい、それぞれ境内でもとりわけ清浄とされる冠木鳥居より奥を荘厳に照らします。また広く境内内外に掲げる「みあかり」は、当社のご神紋の一つ「五七桐紋」を色とりどりに散らし、傍らには谷文晁作の絵馬に描かれた白馬があしらわれ、境内を柔らかな色合いで彩ります。
献灯祭は、多度神社の静寂と神聖さを体感できる特別な行事です。灯籠の明かりに照らされた境内で、参拝者は日常を離れ、神々に感謝と祈りを捧げることができます。この祭りは、多度神社の歴史と伝統を感じるとともに、夏の一夜を美しい光に包まれて過ごす素晴らしい機会となっています。
多度神社の「水占い(みずうらない)」
古来から続く神聖な占い方法
参拝者が自分の運勢を知るために行います。水占いは、多度神社の清らかな湧き水を使って行われ、その神秘的な方法と的中率の高さで知られています。
多度大社での水占いの方法は、大きく分けて以下の手順になります。
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お守りの授与所で水占用のお守りを購入します。
- このお守りには、まだ何も書かれていません。
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清流である落葉川に、お守りを浸します。
- 多度大社には、水占用に清められた場所が設けられています。
- その場所を探し、お守りを静かに水に沈めます。
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しばらく待つと、お守りに文字が浮かび上がってきます。
- この浮かび上がった文字が、神様からのメッセージです。
- 自分の心の状態や、これからの指針となる言葉が記されているかもしれません。
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お守りは、落葉川の畔にある「水籤結処」に結んで返納します。
- 神様への感謝の気持ちと共に、お守りを結んでください。
水占いをする上での注意点
- 心静かに願いを込めて: 水占をする前に、心静かに自分の願いを明確にしておくと良いでしょう。
- 焦らず待つ: 文字が浮かび上がるまでには、少し時間がかかることがあります。焦らず、静かに待ちましょう。
- 神様のメッセージを素直に受け止めましょう: 浮かび上がった文字は、神様からのメッセージです。良いことだけでなく、厳しい言葉が書かれていることもあるかもしれません。しかし、それは自分にとって大切なメッセージであることを心に留めておきましょう。
多度大社の水占いは、神秘的で貴重な体験です。 心静かに神様と対話し、自分自身を見つめ直す時間にしてみてください。
水占いは、多度神社の湧き水の清らかさと神秘的な力が宿るとされ、特に正確な占いができることで有名です。この湧き水は、神聖な場所から湧き出ているため、占いの結果が神の意志として尊重されます。参拝者は、この占いを通じて自身の運勢を確認し、より良い未来への指針を得ようとしています。
多度神社の水占いは、その神秘的なプロセスと結果の正確さから、訪れる参拝者にとって特別な体験となります。また、水占いは、参拝者が神社の清らかな湧き水と直接触れ合う機会を提供し、神社との深い繋がりを感じることができる行事の一つです。
この神聖な水占いを通じて、多度神社を訪れた人々は、自分自身の運勢を知り、日々の生活に活かすことができるのではないのでしょうか。
多度大社の歯ぎしり豆について
多度大社といえば、水占いが有名ですが、実はユニークな御守りとして「歯ぎしり除けの豆」が知られています。
白馬伝説にちなんだ神馬の白馬が納められている『白馬舎』。
馬はとても歯が丈夫な為、これにあやかった「歯ぎしりよけの豆」が置かれています。
なぜ歯ぎしり豆?
馬は歯が丈夫な動物として知られており、多度大社には古くから伝わる白馬伝説があります。この白馬にあやかり、歯が丈夫になるようにと願いを込めて作られたのが、この「歯ぎしり除けの豆」なのです。
歯ぎしり豆の効果は?
歯ぎしりは、睡眠の質を下げたり、歯を傷めたりする原因となることがあります。この豆には、歯ぎしりを鎮め、歯を健康に保つという言い伝えがあります。もちろん、科学的な根拠があるわけではありませんが、験担ぎとして、あるいは心の安らぎを求めて、多くの人々がこの豆を求めています。
歯ぎしり豆の入手方法
多度大社境内にある「白馬舎」と呼ばれる場所で、この歯ぎしり豆を購入することができます。白馬舎には、白馬伝説にまつわる様々なものが展示されており、歯ぎしり豆を購入するだけでなく、多度大社の歴史や文化に触れることもできます。
歯ぎしり豆の使い方
特に決まった使い方はありませんが、枕元に置いて寝たり、持ち歩いて身につける人が多いようです。また、歯磨き粉に混ぜて使ったり、お茶に入れて飲んだりする人もいるとか。
多度大社の歯ぎしり豆は、歯の健康だけでなく、心身の健康も願う人々にとって、縁起の良いお守りです。もし多度大社を訪れる機会があれば、ぜひ白馬舎に立ち寄って、このユニークな豆を手にとって見てください。
ポイント
- 歯ぎしり豆は、科学的な根拠はないものの、験担ぎとして人気がある。
- 多度大社の白馬伝説に由来する。
- 歯ぎしりの悩みだけでなく、健康や長寿を願う人にもおすすめ。
境内は、ゆったりとして歴史が感じられました。
ぜひ、自然豊かな神社へお参りください。