京都 愛宕神社 神様とご利益は?
いつかお参りしたいと思っていた京都の愛宕神社の千日もうで。
愛宕神社は、全国に800社以上あります。
京都の愛宕神社はその総本社にあたり、頂点に立つ存在で海抜924mの愛宕山山上にあります。
愛宕山の山中では、眼下に広がる京都の街並みや季節外れの草花、野鳥のさえずりなどが楽しめます。
京都・嵐山を代表するパワースポットでかつては数百件のお寺が立ち並び、山伏の修行場にもなっていました。
その確かな霊験が転じて、「防火・火伏せ」のご利益が有名になり、愛宕信仰は全国へと広がりをみせました。
千年都市・京都を厄災から守る上で「重要な結界」の役割を担ってきたといえます。
山頂には、全国に約900社ある愛宕神社の総本山が鎮座しています。火伏の神様として古くから親しまれ、京都の多くの家庭や飲食店などには「火迺要慎(ひのようじん)」と書かれた火伏札が貼られていることでも有名です。
お祭りされている5柱の神様
生産水の神「雅産日命」(わくむすびのみこと)
土の神「埴安姫命」(はにやすひめのみこと)
稲司の神「天熊人命」(あまのくまひとのみこと)
五穀の神「豊受姫命」(とようけひめのみこと)
愛宕神社でとくに有名なご利益は「防火・火伏せ」。
3歳までの幼児を背負ってお参りすると、その子どもは一生火難から逃れられるといわれています。なかなか険しい道のりながら、小さな子どもを連れた参拝者が多いのもそのためです。
愛宕神社のなかにも、「縁結びのパワースポット」があります。
「防火・火伏せ」がクローズアップされ、なかなか「恋愛関係のご利益」にスポットが当たりませんが、本殿に向かって左奥にある「奥宮」は縁結びの神様を祭っています。
奥宮には17柱もの神様がお祭りされていて、その中心的な存在(主祭神)に当たるのが「大国主命」(おおくにぬしのみこと)。
大国主命は「日本三大縁結び」として知られる島根の出雲大社に祭られる神様で、別名がたくさんあり、子どもも大勢いることから、「強力なご神徳(しんとく)」を持つことで知られています。
愛宕神社 2020年の千日通夜祭(せんにちつうやさい)に挑戦
有名な千日通夜祭(せんにちつうやさい)とは?
7月31日の夜から8月1日の朝までに参拝することを「千日詣(せんにちまいり)」と呼び、千日分の火伏のご利益があると言われ、大変な賑わいを見せます。
当日、麓の清滝から山頂の愛宕神社までの約4kmの登山道(表参道)には明かりが翌朝まで点灯され、例年7月31日は京福電鉄嵐山駅前-清滝の間は深夜までバス増発されます。
【愛宕神社「千日詣」】7月31日の夜半に、京都を守護する愛宕山に登り、8月1日の早朝にかけてお参りすると千日分の火伏せの御利益があるといわれているのが、愛宕神社の「千日詣」。https://t.co/7VFifZp8tm pic.twitter.com/kZRUpWOtKv
— きょうとあす (婦人画報の京都サイト) (@tripkyoto) July 27, 2016
ただし今年は、密集を避けるために、夜間はなく7月23日~8月1日の昼間の午前9時~午後4時までを千日詣とされました。
愛宕神社のアクセスは、片道2時間の登山となり、予備知識を持たずに参拝すると危険な目に合いかねません。そんなとても奥の深い愛宕神社に私は7月24日参拝しました。
はじめての 愛宕神社 登山のポイント
愛宕神社 おすすめ登山道
愛宕神社への参拝は、愛宕山のふもと「清滝」(京都市右京区)という地区がスタート地点になります。
とても綺麗な清流です。夜は蛍も飛びそうです。
ここから愛宕神社に向かうルートとして、私は愛宕山表参道を選びました。
愛宕山表参道は、もっとも整備が行き届き、無難なルートといえます。
片道約4kmの道のりで、天狗信仰の聖地「火燧権現(ひうちごんげん)跡」など、見逃せないパワースポットもあります。休憩所もちょうど良いところに3カ所設けられていて、一息つくのに便利です。
こんな山道が延々と続きます。。。
2018年の台風の影響で倒木が目立つようです。
登山としては「初心者レベル」に当たるとはいえ、午後からのスタートだと、よほどの健脚でない限り、下山に間に合いません。私は10時ころから登りましたが、それでは遅い!
なるべく朝の早いうち何回も休憩をいれて登りましょう!
登山にあたっての注意
とにかく苦しいのは上りの前半戦。
5合目を超えると比較的楽になります。
表参道は人通りが多く案内板も充実しているためまず迷いません。
山頂の状況は?気温・携帯の電波状況
携帯の電波は微弱で入らないところ方が多いです。
山中に売店はないです。昼食としておにぎりなどの用意は必須です!
(塩分補給として梅干しを入れていきました)
どんな服装で行けばいいか? 装備・水について
私は軽めの登山のできる服装で行きました。靴は軽登山やトラッキング用の靴。
乾きやすいTシャツ。レギンスに短パン。リユック。
地上との気温差は10℃あるといわれますが、当日(7月24日)はまだ梅雨明けしておらず、
登山中は暑いのですが、神社につく頃には雨。肌寒い。。。
この気温差を逆算し、脱ぎ着しやすい上着とレインポンチョなどの雨具の用意は必須です!
水は500mlのペットボトル1本程度ではまったく足りません。最低でも1.5ℓは欲しいですね。
境内の手水舎の水も「雨水」を利用していて、飲用できませんのでご注意ください。
愛宕神社の境内のトイレ
愛宕神社にたどり着くまでの間、山中にトイレはありません。
山に入る前に必ず済ましておきましょう。
この時期、消毒シートやウエットティッシュも必需品です。
愛宕神社 見どころパワースポット
古くからの聖地である愛宕山は、書ききれないほどの見どころがあります。
とにかく最初の登山で時間がかかったため、全てみることはできなかったのですが
なんとかたどり着いた場所を書き留めておきます。
※山頂までには至ることころにお地蔵様がいらっしゃい、山道の無事を祈ってくださってるようです。
火燧権現跡(ひうちごんげんあと)
愛宕山山中で参拝者を最初に出迎えるパワースポット「火燧権現跡」。
登山口から300mほど上ったところに「火燧権現跡」(ひうちごんげんあと)という聖地です。
ここはかつて、愛宕権現太郎坊(あたごごんげんたろうぼう)という天狗をお祭りしていたところで、当時は「下権現」(しもごんげん)とも呼ばれていました。
愛宕権現太郎坊は、火の神様「迦具土命」(かぐつちのみこと)と同一視される最高位の大天狗で、「怒らせると火事を起こす」と信じられていました。
京都の町が火事になると、このお社がガタガタと音を立てて揺れたそうです。
いまも各地の山伏、僧侶らの参詣が絶えないパワースポットのようです。
現地さまざまな神名を刻んだ碑がご神木にいくつも立てかけられています。
「素戔嗚尊」(すさのおのみこと)、「伊弉諾尊」(いざなぎのみこと)、「開化天皇大神」…。「金山姫神」。
どなたが、何のためにたてておかれたのか?謎です。。。
愛宕山から見下ろす嵐山の風景
ちょうど、五合目くらいに登ったところ、山道が広くなり開けた場所になっているところがあります。ここからの下界の景色はすばらしい。
「ガンバリ坂」を登ると黒門
頂上までもうあとひと踏ん張りというところのにある石段は通称「ガンバリ坂」を登りきると
道幅も広くなり神社の参道の雰囲気が増してきました。
この門は神仏習合時代にここ愛宕山にあった白雲寺の京都側の惣門でここからが、愛宕神社の神宮寺・白雲寺の境内となっていたそうです。
黒門を抜けて石階段を進んでいくと、ようやく愛宕神社の神域に入ることができます。
愛宕神社の鉄灯篭
社務所を過ぎて境内を進んでいくと、本殿へと続く最後の関門である長い石階段と重厚な鉄灯籠が出迎えてくれます。
上の亀石
一の鳥居に亀の甲羅のような石があります。そちらな「下の亀石」
上にあるのがこの「上の亀石」です。
何のために置かれているのかは謎ですが、愛宕神社の参拝は急坂が続いて苦しいので亀のようにゆっくり着実に登りなさい。という寓意だとも。
私は亀のようにゆっくりでした。。。
稲荷社
左手には、かなり年季の入った朱塗りの鳥居の列が続いています。
愛宕神社 千日詣 御朱印とお札
愛宕神社千日詣での御朱印
初穂料は500円です。
和気清麻呂公ゆかりの猪があしらわれています。
愛宕神社の「火迺要慎」(ひのようじん)のお札
火事を防ぐ効果があるとして、定番化しています。
初穂料は、大サイズが500円、小が400円。
厄除けのお札
また、愛宕神社では防火のお守りとして「樒(しきみ)の葉」も授与されています。
愛宕山に群生する常緑樹で、魔除けや臭い消し効果がある「有毒の植物」です。
かまどに火をくべるときに一枚入れて、その日の安全を祈願する「おまじないの一種」でした。5本一束で授与しておられます。
本殿にはお守りやおみくじ・御朱印・お守りなどが賜れます。
愛宕神社 天狗と猪
愛宕神社に奉納されたイノシシにまたがる天狗の絵。愛宕神社は猪にもゆかりがあります。
愛宕神社はもともと白雲寺という「お寺」でした。
「役小角」(役行者)と「泰澄」が愛宕山を開山した後、慶俊(けいしゅん)というお坊さんが貴族の和気清麻呂(わけのきよまろ)と協力して、白雲寺など5つのお寺を建てました。
和気清麻呂公は、宇佐八幡宮(大分県)の神様の助力を得て、弓削道鏡(ゆげのどうきょう)という法皇の野望を打ち砕きました。天皇への道を閉ざされた道鏡は怒って清麻呂公の足を切って、鹿児島への流罪に処し、九州に移動中の清麻呂公に向け、刺客を放ちました。
そんなときに、どこからともなく現れたのが猪の大群でした。
イノシシの軍勢は、清麻呂公を刺客から守りながら、宇佐八幡まで護衛したとの事です。
公共交通機関での行き方
JR京都駅から京都バス、バス停「清滝」下車(約50分、本数に要注意)
名神高速「京都東IC」下車、約1時間
名神高速「京都南IC」下車、約1時間
住所:京都市左京区嵯峨愛宕町1
電話075(861)0658
参拝時間:遅くともAM11:00までに入山しましょう。
とにかく朝はやく登るのがおすすめ!
そして、山の中は虫も多いので、虫よけスプレーも忘れずに!
それと、運動不足がちな人は筋肉痛になりがち。
足が痛くて下山が辛くなるのでスプレー式の炎症止めを持って行くこともオススメします。